米国バイオベンチャー CORTEXYME(CRTX)に投資をしてみた

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米国バイオベンチャー CORTEXYME に少額から投資を開始しました。

SBI証券での実際の購入を行なった画面

そこで、CORTEXYME ってどんな会社?なぜ CORTEXYME に投資したのか?について記事にしました。

あなたのこんな悩みを解消します!
  • 米国バイオベンチャー CORTEXYME ってどんな企業?
  • Gingipain 仮説に基づくアルツハイマー病治療薬について知りたい!
  • CORTEXYME の株価について知りたい!
  • CORTEXYME の今後の動向予想を知りたい!
  • 本記事は、特定銘柄への投資を勧めるものではありません。あくまで投資は自己判断でお願い致します。

    CORTEXYMEってどんな会社?

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    CORTEXYME(コルテクサイムと発音するようです)は米国サンフランシスコに本社を置くバイオテクノロジー企業です。

    アルツハイマー病やその他の神経変性疾患に対する治療薬の開発を行なっています。

    現在、軽度から中等度のアルツハイマー病に対する COR388(atuzaginstat)の Phase 2/3 の臨床試験(略称: GAIN trial)が行われています(GAIN trial の詳細は ClinicalTrials.gov を参照)。

    GAIN Trial: Phase 2/3 Study of COR388 in Subjects With Alzheimer's Disease - Full Text View - ClinicalTrials.gov
    GAIN Trial: Phase 2/3 Study of COR388 in Subjects With Alzheimer's Disease - Full Text View.

    COR388(atuzaginstat)とは?

    CORTEXYME のパイプラインの中心的役割を果たす薬剤が COR388(atuzaginstat)です。

    CORTEXME は、歯周病菌 P. gingivalis から放出される gingipain がアルツハイマー型認知症の一因であるという仮説の元、gingipain inhibitor(COR388)にてアルツハイマー病を治療しようと考えています。

    この仮説を称した論文が、Dominy SS. et al., Sci Adv., 2019 になります。本論文では、歯周病菌 P.gingivalisがアルツハイマー病患者脳内に存在すること(ヒトのアルツハイマー病患者の脳切片を用いた検討)と低分子阻害剤により治療できる可能性(マウス実験)を提示しています。

    Porphyromonas gingivalis in Alzheimer’s disease brains: Evidence for disease causation and treatment with small-molecule inhibitors
    Porphyromonas gingivalis , the keystone pathogen in chronic periodontitis, was identified in the brain of Alzheimer’s disease patients. Toxic proteases from the...

    この論文に関しては、京都大学オール・アバウト・サイエンス・ジャパンの西川伸一先生も日本語で解説をされています。

    1月30日 アルツハイマー病は歯周病菌が原因?(1月23日号Science Advances掲載論文) | AASJホームページ

    CORTEMYME の Science タブ内では、同社が発表した論文、学会のポスターやカンファレンス等での発表スライドなどが掲載されているので、臨床試験の結果や基礎的な検討のアップデートを知ることができます。

    Science

    なぜ私が CORTEXYME に投資するのか?

    その答えは、アルツハイマー病の市場が大きい事​(2023年には49億6000万米ドルに到達予想)と COR388 のアルツハイマー病を治療するメカニズムに可能性を感じたからです。

    では、アルツハイマー病治療薬にはどんなものがあるのでしょうか?

    今回は、

    1. アミロイドβ仮説に基づく治療薬
    2. CORTEXYME が提唱する gingipain 仮説に基づく治療薬

    について説明します。

    アミロイドβ仮説に基づくアルツハイマー病治療薬の開発状況

    今年の6月に FDA が、エーザイとバイオジェンによって創成された ADUHELM(アデュカヌマブ)を条件付きで承認しました。

    ADUHELM(一般名:アデュカヌマブ)は、ヒトモノクローナル抗体で、脳内のアミロイドβプラークを減少させることにより、アルツハイマー病(AD)の病理に作用する初めてかつ唯一の治療薬です。ADUHELMは、ADの治療を適応症としています。本適応症はADUHELMによる治療を受けた患者様のアミロイドβプラークの減少に基づき迅速承認されました。なお、当迅速承認の要件として、今後検証試験による臨床的有用性の確認が必要となります。

    ADUHELM™(アデュカヌマブ) アルツハイマー病の病理に作用する初めてかつ唯一の治療薬として米国FDAより迅速承認を取得

    アデュカヌマブはミロイドβ(Aβ)仮説に基づいた薬になります。

    Aβ仮説とは、

    まずアミロイドβ(Aβ)が脳の神経細胞外に蓄積し、老人斑を形成すると、タウ蛋白質のリン酸化が起こり、凝集し、神経原線維変化を起こします。次にAβの蓄積の過程で生じるオリゴマーや神経原線維変化が神経細胞の機能障害を誘発し、細胞死に至らしめるという考えです。

    アルツハイマー病のアミロイドβ仮説は死んだのか?

    つまり、アルツハイマー病の主犯格は Aβ であり、神経原繊維変化が起こる前に Aβ を脳内から取り除くことができれば、アルツハイマーを治療できるという仮説になります。

    これは、あくまで仮説であり、Aβ が主犯格であれば、アデュカヌマブ投与で認知機能の低下が抑制されることが臨床試験で証明されるはずです。Aβ仮説に基づくアルツハイマー病の治療薬は、臨床試験で失敗続きで、上記のアデュカヌマブが初の FDA に承認された薬剤になります。

    アデュカヌマブは “Aβを減少させる” という代替的な評価項目(サロゲートエンドポイント)に基づいて迅速承認されました。しかし、本当に重要なのはアデュカヌマブがアルツハイマー病患者の認知機能の低下を抑制するかどうかということになります。

    Aβ仮説(Aβが減少すれば認知機能の低下が抑えられる)が未だ仮説の域を出ない段階で、Aβが減少したという理由で承認が行われたことは疑問点が残るところであり、今後の長期的な検討の結果が待たれます。

    CORTEXYME の gingipain 仮説に基づくアルツハイマー病治療薬

    COR388 はどんな仮説に基づいてアルツハイマー病を治療しようとしているのか?

    CORTEXYME が考えるアルツハイマー病が発症するメカニズムは

    1. 歯周病菌である P. gingivalisが何らかの理由により、脳内に侵入する
    2. P. gingivalis がタンパク質分解酵素 gingipain を分泌する
    3. gingipain が Aβ の沈着とタウタンパク質の断片化・凝集を促進する
    4. Aβ とタウタンパク質の凝集物が神経細胞を障害し、アルツハイマー病を発症する

    というものになります(参考スライド1の左側を参照)。

    そこで、CORTEXYME は gingipain がアルツハイマー病の主犯格(の一つ)と考え、gingipain を阻害する低分子化合物(COR388)を創成しました。COR388 が gingipain を阻害することで、Aβ の沈着やタウタンパク質の凝集が抑制され、神経細胞が傷害されずにアルツハイマー病が抑えられる、という仮説を同社は提唱しています(参考スライド1の右側を参照)。

    このように CORTEXYME の持つ gingipain 阻害剤(COR388)はこれまでとは異なる作用機序でアルツハイマー病を治療しようとしています。

    COR388 の臨床試験の結果はどうなっているのでしょうか?

    アルツハイマー病を模したマウスに対して COR388 が効果を示したとしても、ヒトでの臨床試験でしっかり認知症の抑制効果が見られているのかが製薬企業においては重要になってきます。

    健常人と軽度から中等度のアルツハイマー病患者に対して COR388 の安全性を確かめる Phase 1 の臨床試験が行われました。

    その結果が、2018年10月24-27日にスペインのバルセロナで開催された Clinical Trials on Alzheimer’s Disease (CTAD 2018) にて発表されました。

    報告された内容をまとまると、

    • COR388 は安全である。有害事象は稀で、一過的で、軽微なものであった。重大な有害事象は報告がなく、有害事象による臨床試験から脱落する患者はいなかった。
    • アルツハイマー患者に対する COR388 の 28 日間の投与で、MMSE と CANTAB では有意な差が見られなかった。一方、Winterlight テストでは COR388 による有意な改善効果が見られた(Placebo: n=3, COR388: n=6)。
    • MMSE(Mini Mental State Examination): 10〜15分程度で認知症の疑いを判断することができる質問形式のスクリーニング検査。
    • CANTAB(the Cambridge Neuropsychological Test Automated Battery ): コンピューターベースで認知症を評価。
    • Winterlight テスト: スピーチを分析することで認知症を判断するタブレットベースのテスト。

    つまり、少人数での Phase 1 の臨床試験で COR388 の安全性が確認できたので、次は中/大規模な臨床試験で COR388 が認知症の進行を抑制する効果があるかを確かめましょう、ということになりました。

    そして、2021年8月現在、Phase 2/3 の臨床試験(略称: GAIN trial)が行われています。

    CORTEXYME の株価の行方は?

    CORTEXYME は NASDAQ に上場しています(ティッカーシンボル: CRTX)。

    記事作成時(2021年8月9日)における終値は 98.91 USD(前日比 +47.3%)でした。

    Bloomberg

    CORTEXYME の株価と GAIN trial は大きく関連していると考えられます。

    GAIN trial のこれまでと今後の予定は以下のようになっています。

    • 2019年04月 臨床試験(GAIN trial)の開始
    • 2020年11月 臨床試験に組み込む患者の登録が終了
    • 2020年12月 中間解析の結果を受け、引き続き予定通りの試験を継続
    • 2021年11月 (予定)GAIN trial のトップラインの有効性のデータを発表

    CORTEXYME は AAIC、CTAD のようなアルツハイマー病を専門とした大規模な学会で発表を行なっています。Phase 1 の臨床試験結果に関しても、2018年の CTAD で発表を行なっていました。

    2021年の CTAD の開催は 2021年11月9-12日となっています。GAIN trial の結果が今年の CTAD に間に合うのかは不明です。しかし、2021年11-12月に何らかの形で、GAIN trial の結果についての報告がなされるのではないでしょうか?

    私は、CORTEXYME が示したデータから、GAIN trial に対してポジティブな結果が得られることを期待し、自分のリスク許容度の範囲で CORTEXYME に投資を行いました。

    GAIN trial の結果の公表は、gingipain 阻害によるアルツハイマー病治療という仮説が証明されるのか否か、サイエンス的にも CORTEXYME の株価的にも大注目のイベントになります!

    まとめ

    今回は、アルツハイマー病治療薬を開発中の米国のバイオベンチャーである CORTEXYME について解説を行いました。

    論文や学会発表資料をもとに、バイオベンチャーの技術や背景情報について初めて記事を作成しました。今後も、サイエンスバックグラウンドを活かしたバイオベンチャーの紹介や投資を行なっていきたいと思います。

    なお、本記事は、特定銘柄への投資を勧めるものではありません。あくまで投資は自己判断でお願い致します。

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